相続欠格・相続廃除

「相続欠格(そうぞくけっかく)」とは、法律で定められた一定の理由により、相続人としての資格が認められない相続人のことをいいます。

「相続廃除(そうぞくはいじょ)」とは、被相続人の意思により、相続人の持っている相続権を剥奪する制度です。

相続欠格の理由

偽造された遺言書

遺言書を偽造したような場合、偽造したのが相続権のある人であれば、その相続人は「相続欠格」として、被相続人の意思とは関係なく、相続権を失います。たとえ被相続人が遺言書に「子どもに相続させる」と書き残していたとしても、その子どもが相続欠格となってしまった場合は、その相続権は剥奪されてしまいます。

その他、以下に当てはまる場合も、その相続人は相続権を取り上げられます。相続欠格となった人の相続分は、その子どもや孫に代襲相続されます。

  1. 被相続人を殺した場合
  2. 被相続人が殺されたのを知っていたのに告訴しなかた場合
  3. 被相続人を騙したり、脅したりして、遺言書を書くのを邪魔した場合
  4. 被相続人を騙したり、脅したりして、遺言書を書かせた場合

相続廃除が認められる理由

「こんな息子に相続させたくない」と考えている場合

「息子はひどい親不孝者だった!遺言書に、息子には相続させない旨を書いたとしても、息子には遺留分を相続する権利がある・・・。息子には一銭も相続させたくない。さてどうしたものか・・・。」

こういった場合は、「相続廃除」をすれば、相続させたくない人の相続権も、遺留分を受け取る権利もなくすことができます。

相続廃除するためには、遺言書に廃除の旨を記載、または、家庭裁判所に申立てをする必要があります。ただし、申立てをしたとしても、すんなり相続廃除が認められるとは限りません。裁判所は、相続廃除を認めるかどうか、その判断は、非常に厳格であるのが実情です。

法律では、以下のような場合に相続廃除を認めるとしています。相続廃除となった人の相続分は、その子どもや孫に代襲相続されます。

  1. 被相続人に対して虐待または重大な侮辱をした場合
  2. 相続人自身に著しい非行があった場合